ソーシャル メディア マーケティング for 大企業 – 6

2010年3月10日

前回、そして前々回と、いわゆる大企業がソーシャル メディア マーケティングなるモノを展開していくにあたって、“まず傾聴戦略こそ重要なのではないか” というコトについて語ってみた。

実は、今回も、その延長になってくるのだけれども、具体的に “傾聴戦略” って、どういう風に考えればいいのか、というコトについて少し触れてみようと思う。
そういうわけで、今回のエントリーは、普段 “ソーシャル メディア マーケティングにおいて、(とくに海外における) 先行事例はあまり役に立たない” と言っているが、あえてひとつ事例的なモノをピックアップしてハナシを進めてみたいと思うわけで。

さて、この “傾聴戦略” なんだけれども、実は、コレは正直なトコロ、あまり目立たない、言い換えれば非常に “地味な” 戦略だったりする。実際、Twitter アカウントからの Tweet であったり、ブログのエントリーであったりといった、いわゆるソーシャル メディア上におけるアウトプットによる Buzz や口コミを直接的に求めているわけではないし、そもそも “聴く” という行為自体、それほど目立つようなモノではない。ともすれば “何もしていない” という風に誤解されがちだ。

そういうわけで、自身も、この “傾聴戦略” における事例というモノを、しっかりと知っているわけではないのだけれども、おそらくは誰も知らないであろうケースを取り上げつつ、語ってみようと思う。

昨年の 10 月下旬、ひとつの “企業オフィシャル Twitter アカウント” が開設された。開設されて以来、約 5 ヶ月。現在の Follower 数は 3,100 人あまり。ここまでの累計 Tweet 数は 105 と少ない。Tweet の内容は、別途開設されているブログからのフィードや中の人が発信する情報。そして、ReTweet が少々。Tweet 数は決して多いとは言えないし、フレンドリーな語り口でもない。そのため、傍目には非常に地味な印象なのだが、実は、これは “傾聴戦略” のひとつの形でもある。

実際、このアカウントの中の人は、随時 Twitter 上で、どんな会話が交わされているかをしっかり確認している。ソレは、TL を読んでいる、つまり Follow している人の会話だけを見ているわけではなく、自分たちのアカウントで Follow していない人の会話まで、色々と検索をしつつ、チェックしている。

こうやって、まず Twitter 上での話題を確認し、その中に、自分たちの関わる製品等に関して、たとえば困っていることや技術的に悩んでいるような会話を見つけ、(自分たちのできる範囲で) その解決策や手掛かりをブログに書いたり、あるいは Tweet したりする。

その際、中の人は、その会話の主に対して @ で Reply を返しているわけではない (ときどき、話題によっては @ で返すこともあるのだけれども)。会話をしているというわけではないが、Follower あるいはブログの閲覧者全員に、その情報が適切に届くように情報を出している。それは、困っていることや技術的に悩んでいるような Tweet をしていなくても、実際には困っていたり悩んでいたりする顧客は少なからず存在するであろうというコトを考えているからだ。

また、Tweet やエントリーに反映されないアクションも色々とある。たとえばある情報を掲載している Web サイトの記述に対して、なかなか理解できない、よくわからない、というような Tweet (決して Follow しているわけでもなく、@ で問いかけられているわけでもない) を見つけ、Web サイトの記述をわかりやすく直したりするようなケースも少なからずある。

直接問いかけられているわけではない。あくまでも Twitter 上における会話を “聴く” コトに専念し、その状況に応じて的確なアクションを取っているに過ぎない。別に “みなさんを積極的にサポートしています” というコトを声高にアピールするわけでもないし、“何でも訊いてください” というような窓口的な役割を打ち出しているわけでもない。そもそも、この Twitter アカウントはサポート窓口では決してないし、サポートはサポートで、当然 (ソーシャル メディア上ではないトコロに) 専門の窓口が存在する。ただ単に、中の人が、Twitter 上で交わされている会話を “聴く” コトに専念し、その中の人 (当然サポートを担当しているわけではない) ができる範囲で、顧客に役立つであろう情報を提供しているという形だ。

そういった活動が徐々にカタチとなっているのか、少なく、かつ淡々とした Tweet をしているだけのアカウントの Follower は、急激ではないが、確実に一定のペースで増加している。コレは中の人の地道な努力の結果でもあるだろう。

決して目立とうとしているわけではない。むしろ Follower によっては、半ば空気のような存在になっているかもしれない。だが、その空気のような存在が、あるとき、自分にとって、ふと有益な情報をもたらしてくれる。こういったひとつひとつの小さなコトの積み重ねが、やがて “エンゲージメント” や “絆” という言葉に昇華されていくのだろう。そして、コレは “聴く” というコトをおろそかにしては、決して実現し得ないと思うのだ。

Buzz や口コミを求めるコトは、決して間違っているとは言えないのだが、これもひとつのソーシャル メディア マーケティングの実践例なのではないかと思うのだ。

前回も触れたように、企業規模が大きくなればなるほど、直接的に顧客の声を聴くコトができる機会が少なくなってくる傾向にある。また、実際聴くコトができる人間も、数限られてしまうコトになりがちだ。

そういった企業がソーシャル メディア マーケティングを始めていく場合、今回取り上げたようなアプローチも十分考えられるのではないかと思う。実際、コレは、いわゆる大企業で実践されている例だからだ。

ソーシャル メディア マーケティング for 大企業 – 5

2010年3月8日

あまり意識はしていなかったのだけれども、この一連のエントリーは、週刊化してきたような気がする… (もう少しペース上がると思ってたんだけどな…) 。

さて前回は、“規模の大きな企業や組織が、ソーシャル メディア マーケティングの世界に入り込んでいくための意味” というのがテーマ。
そもそも、規模の大きな企業や、組織にとって、現在ソーシャル メディア マーケティングがホットに語られている業界のごくごく一部で声高に叫ばれている方法論自体、実践したところで、ほとんどが “割に合わない” ケースになると書いた。

実際、ソーシャル メディア マーケティングを考えるにあたって、ソーシャル メディアを、単に自分の発信する情報を拡げる “メディア” だけとして考えてしまうと、その “割に合わない” 感覚は、一層強く感じられるのではないかと思う。コレに関しては、以前言及したコトがあるので、もし読んだことが無い方は、一度目を通していただければと…。

ソーシャル メディアをメディアとして考えないのであれば、では、ソーシャル メディアを、そしてソーシャル メディア マーケティングを、自分たちの戦略の中に、どう位置付ければよいのか…。ソレに対する自身なりの解が一つ。ソーシャル メディアを “社会をのぞく窓” として考えるというコトだったりする。実際、まだまだ規模としては大きくはないものの、ソーシャル メディアの中から、いつでも顧客の声を聴き、知るコトができる機会が得られると考えるだけでも大きい。しかも、よそ行きの言葉ではなく、ものすごくストレートな意見を聴くコトができるわけだ。

コレは、企業や組織の規模が大きくなってくればなるほどメリットとして大きい。なぜなら、大きくなればなるほど、直接的に顧客の声を聴くコトができる機会が少なくなってくるし、実際聴くコトができる人間も、数限られてしまうからだ。

・・・というわけで、もう少し、この “聴く” というトコロにフォーカスしてハナシを進めてみようと思う。

このブログでも、たびたび紹介しているし、もはや、このブログを読んでいる方の多くは既に読んでいらっしゃるであろう「グランズウェル」に記されている 5 つの戦略。その中で一番最初に記されているのが “傾聴戦略” であるように、実際 “聴く” コトこそ、非常に大事だったりもする。

ただ、実際に語られてはいるものの、なかなか “聴く” というコトを意識した戦略自体、今の日本のソーシャル メディア マーケティングの世界では出てきていないのが現状ではないかと思う。

ソレは、これまでソーシャル メディアに携わってきている多くの人たちが、ある意味間違っているとわかっていつつやってきたコトだと思うのだけれども、そもそも “ソーシャル メディア マーケティングをやるなら、まず自分たちがソーシャル メディアの世界に入っていかなくてはならない” というコトを声高に語りすぎたのではないかと。

いや、もちろん、ソレは非常に重要だし、もはや企業サイトが目的地と言えなくなってきつつある昨今、企業が自らソーシャル メディアの世界に出向いていくのは、ある種必要に迫られた選択ともいえる。

ただ、ソーシャル メディア マーケティングというのは、別に企業がわざわざソーシャル メディアの世界に入っていかなくても、つまりブログを立てたり、公式 Twitter アカウントを設けなくても、何らかの形でできるのではないかと思うのだ。そして、ソレが “傾聴戦略” なのではないかと思うわけで。

極端な話、無理に自分たちのアウトプットをソーシャルメディア上に求めなくても、たとえばソーシャルメディアで “聴いた” 声というモノを、どれだけ業務上のアウトプットに還元するかを考えるかだけでも重要ではないかと思うのだ。ソレは、ひょっとしたら自社製品の改善・改良なのかもしれない、あるいは業務プロセスや営業方法の見直しという形になってくるかもしれない、もしくは Web サイトを作りかえるといったような、小さいけれども直接的なモノなのかもしれない。いずれにせよ、無理やりアウトプットをソーシャル メディア上に求めなくても、できるコトは数多くある。

そして、おそらく、これからソーシャル メディア マーケティングに足を踏み入れていくコトになるであろう “大企業” は、まず、この可能性から考えていく方が良いのかもしれない。正直なトコロ、この “聴く” というコトができない限り、その後に続いてくるソーシャル メディア マーケティング施策は、まず形にならないと見ていいだろう。

「グランズウェル」では、“傾聴戦略” に続いて “会話戦略” について語られており、コレは企業が、まさにソーシャル メディアの世界に足を踏み入れて、実際にソーシャル メディアの世界にいる顧客たちと直接的にコミュニケーションを取っていくというコトになるのだけれども、この “会話戦略” の前提にあるのが、“まずは聴く” という発想。つまり、“傾聴戦略” ができていないと成立しないわけで。

実際、ソーシャル メディア マーケティングの話になると、やれ “対話” だ、あるいは “インタラクティヴ” だって、話になってくるのだけれども、これらをちゃんと行っていくにあたって、まず “聴く” というアクションをどれだけ重要視できるかがカギになってくるのかもしれないと思っている。おそらく、これまで企業の中で、コミュニケーションに携わっている人は、得てしてメッセージを “投げる” というコトだけしか考えていないのではないかと思うのだけれども、とくにソーシャルメディアの場合、“投げる” 前に “受ける” もとい “聴く” というアクションが伴ってくるのだ。

“話してから聴く” というのと “聴いてから話す” というのは、一見似ているようで、実はものすごく異なる。コミュニケーションのはじめの一歩を “話す” にするのか、 “聴く” にするのか…。どちらが先になるかで、ソーシャル メディア上での、その企業のコミュニケーション スタイルが決定されてくると思ってもいいだろう。そして、おそらくは後者の方が、ソーシャル メディア上で受け入れられやすいはずだ。

よく言われる “大企業” がソーシャル メディア マーケティングに対して尻込みをしている理由、そして、この一連のエントリーで言及している “リスク” というモノは、実は、よくよく考えると “ソーシャル メディア上で話す” という行為に対して関わってくるモノではないかと思う。

そう、話せなければ話さなくてもいい。ただ、“聴く” だけでも良いし、むしろ、話すよりも “聴く” コトの方が、はるかに重要だ。

“まずは話してみる” ではなく “まずは聴いてみる”。コレは、少なくとも今までソーシャル メディア マーケティングについて語られている意見の、ある意味逆を行くモノなのだけれども、いわゆる “大企業” において、ソーシャル メディア マーケティングを考えていくのであれば、このやり方になってくるのではないかと思う。

周りが話し始めたからといって、つられて焦って話し始めるよりは、まず自分たちが “聴く” コトができる状況にあるのかというコトをしっかり確認した方が良いだろう。聴かなくては、何も始まらないのだ。

ソーシャル メディア マーケティング for 大企業 – 4

2010年2月28日

ソーシャル メディア マーケティングを、とくに “大企業” といわれている組織が実践に持っていくまでには、その “規模” と、ソレに伴う “リスク” を考慮しなくてはならない。そして “Internal Communication” もとい “内部調整” が、“体制構築” と “ポリシー/ガイドラインの策定” に際して非常に大きな課題として直面してくるというコトについて語ってみた。

さて、ここまで記してきたのは、言ってみれば大変な点ばかりだったりする。正直なトコロ、ソーシャル メディア マーケティング施策を推進していくためには、いわゆる “小回りが利く” 状況が非常に求められているわけだ。そういう意味では、自身も以前言及したように、ある意味規模が小さい企業や組織である方が、ソーシャル メディア マーケティングの世界に踏み出しやすいのかもしれない。実際、ソーシャル メディア マーケティング施策において重要なのは、まさに、この “小回り” だと思うのだけれども、そういう観点で見たら、ソーシャル メディア マーケティングというのは、いわゆる “大企業” といわれている組織にとって、その効果が疑問だと思われてしまうかもしれない。

事実、(実際のところは、あまり企業規模に関係は無いのだけれども) 企業や組織としてソーシャル メディア マーケティングを実践しようとする中で、必ず出てくるのが “じゃぁ、こんなに大変だったら、別に無理してソーシャル メディア マーケティングなんてやらなきゃいいじゃん…” という意見である。

というわけで、今回は規模の大きな企業や組織が、ソーシャル メディア マーケティングの世界に入り込んでいくための意味について考えてみたいと思う。

実際、前回のエントリーでも言及したのだけれども、“割に合わないようならば、やらなければいい” というのは、ある意味非常に正しいと思う。確かに、ここ最近やたらと “ソーシャル メディア マーケティングの成功事例” なるモノが語られているし、中身を見れば、確かに “成功” と言っても、ある程度違和感を感じないようなモノになっているケースが、国内外を問わず、少しずつ出てきている。

ただ、もう少し考えてみよう。これまで “成功” と言われている事例は、はたしてスケーラビリティが伴う “大企業” の施策に対して、どこまで有効なカタチで適用させるコトができるのだろうか?

おそらくは、少なくとも、現時点では、適用させるコトは、かなり難しいのではないかと思っている。いや、決して “できない” と言っているわけではない。これまで出てきている事例をなぞらえて、全く同じようなコトをするだけであればできるはずだ。

ただ、パッと見て “割に合わない” ケースが多くなってくるのではないかと思っている。言い換えれば、人的なリソース、そして投下する金銭に対して、“直接的に得られるリターン” が、いわゆる “大企業” のビジネスを考えた場合、限定的になってしまう可能性が高いのだ。そして、ものすごく身も蓋もない言い方をしてしまうと、ココまで考えたときに、もし割に合わないようであれば、あえてやらなくても良いという結論に至ってしまう。 そういった結論を導き出すのは、もちろんアリだ。

少なくとも、(一部の) 中のヒトたちは気付いているだろう。実際に語られている “成功事例” は、よくよく数字を追っていったときに、意外と割に合わないモノであるというコトを。そして、その成功事例は企業規模や市場規模がある程度限定化された場合という条件で、かつ “見方によっては成功ともいえるかもしれない” というような内容であるというコトを。

一方で “いや、直接的なリターンを求めるというコトではなく、顧客とのエンゲージメントが…” という意見も出てくるだろう。確かに、コレは非常に正しいし、ある意味 (規模を問わず) 企業や組織がソーシャル メディア マーケティングを推進していくにあたって非常に重要視していかなくてはならないポイントだろう。

しかし、ソレを可視化させるコトは困難をきわめるし、しかも、どれだけ直接的な利益をもたらすのかは、なかなか見出しづらい。

実際のところ、企業や組織の規模が大きくなればなるほど、ソーシャル メディア マーケティングに対して、直接的なリターンだけを求めてしまっては、まるでメリットも感じられないというところではないかと思う。単に自分の発信する情報を拡げる “メディア” として考えてしまうと、とくにそうだ。

ただ、ソーシャル メディアを “社会をのぞく窓” として考えると意義は非常に大きい。もちろん、コレは自分たちで情報を発信したり、コミュニケーションを積極的に行うというコトでなくてもいい (もちろん、その方が効果は大きいと思うけれども) 。ただ単に、ソーシャル メディア上で、自社の顧客をはじめとした、巷の声を聴き、知るというだけでもいいのだ。

もちろん、まだまだソーシャル メディアに参加しているユーザーの人口を考えると、 “巷” といっても、規模は小さいかもしれない。ただ、(いつでも) 声を聴き、知るコトができる機会があるだけでも、そのメリットは大きいと思うのだ。実際に、競争ドライバーが “Market Share” から、“Customer Share”、そして “Mind Share” へと移行していきつつある状況を考えると、そして、Life Time Value を向上させていくというコトを考えると、顧客の声を聴き、しり、その上でエンゲージメントを深めていくというコトは非常に重要になる。

そして何よりも、顧客の意見、もとい本音は、正直なトコロ、企業や組織の規模が大きくなってくればなるほど、この本音を得る機会がどんどん少なくなってくるわけで。

この重要性こそが、規模の大きな企業や組織において、ソーシャル メディア マーケティングを始めていく意味につながってくるかもしれないと、個人的には思っている。コレを、どれだけしっかりと内部で、語るコトができるのか、そして、どれだけコンセンサスを得て進めていくコトができるのか…。少なくとも、コレがキーになってくるのではないかとも思っているのだ。

日本にソーシャル メディアなんて無いって言いきっている人も一部ではいるけれども、それは明らかに見当違いでしかない。ソレは、ソーシャル メディア をあくまでも “メディア” として、とくにスケーラビリティというごくごく一部を捉えて言っているだけだし、ソレは決して本質的なモノではない。規模の大小にかかわらず、ソーシャル メディアは立派に “ソーシャル” だ。

実際のトコロ、これまでは、ソーシャル メディア マーケティングを、実際に自分たちの考えるマーケティング施策の中に位置づけるにあたって、“マス マーケティングを代替する手段” として考えてしまっていたコトが問題だったりする。これまで、その考え方をどんどん助長していたのが、前述の “成功” と呼ばれているであろう事例なのだけれども、こういった事例で語られているモノって、そもそもマス マーケティングしなくてもいいモノであるコトがほとんどだ (大体、大規模に広まっているソーシャル メディア マーケティング事例には、大抵マス メディアが複合して使われているし) 。

結局のトコロ、今までと変わらないし、少なくとも、ある程度の規模のビジネスを考えるのであれば、マスな側面もしっかりと押さえなくてはならない。ただ、それだけでは限界が見えつつあるのも事実だ。どれだけ多くの顧客の声を聴くコトができるか。そして、その声をもとに、どれだけ自分たちのビジネスを良い方向に進めていくコトができるか。ソーシャル メディア マーケティングには、少なくとも、そのきっかけとなるモノはたくさん揃っていると思う。

というわけで、長々となってしまったけれども、次回はちょっと違った視点から、“大企業” 的なソーシャル メディア マーケティングに関して思うコトを書き連ねてみようと思う。
* ゆるゆるしていたら、普通に 1 週間空いてしまった…。

ソーシャルメディアマーケティング for 大企業 – 3

2010年2月21日

前回、企業や組織としてソーシャル メディア マーケティングを展開していくコトを考える際の “はじめの一歩” として、まずは “体制構築” と “ポリシー/ガイドラインの策定” が必要だというコトを記した。そして “はじめの一歩” を踏み出すにあたって、いわゆる “Internal Communication” もとい “内部調整” というモノが非常に重要になるというコトについて触れたかと思う。

とくに “体制構築” に関しては “関与するであろう部門 × トップまでの階層” という式によって、その Internal Communication の手間が表され、これらを、一つ一つ地道にクリアしていくコトによって、ちゃんと漏れの無い体制を構築していかなくてはならないというコトに関して言及した。

さて今回は、もう一つの要素、つまり “ポリシー/ガイドラインの策定” に関して。

組織が大きくなればなるほど、自分以外の人間が多く関与する可能性が大になってくるし、ともすれば、自分自身が不在な状態で施策が回るコトもある。そのためにもルール作りは必須になってくるし、かつ、そのルールの中身も非常に密であるコトが要求されるのだ。

ルール作りは、一見簡単なようにも思えるが、これも組織規模が大きくなればなるほど難しい。ソレは、そのルールの対象者が小さな組織と比して、比較にならないくらい多くなってくるというコトが最たる理由だろう。

ただ、ルールやポリシーは、制定するだけではまるで価値を持たないし、ルールを作って “できました” といって公開するだけでは、担当者の自己満足の域を、いつまでたっても出るコトは無い。ルールは “守ってもらえて初めて価値を持つモノ” だというコトを、強く認識するべきだ。

多くの場合、こういった大事な点に関して触れられていないコトが多い。最近、よく “ソーシャル メディア マーケティングのガイドライン” が話題になるが、往々にして、

  • “ソーシャル メディア マーケティングのポリシー/ガイドラインを作りましょう”
  • “ポリシー/ガイドラインには、こういったコトを盛り込みましょう”

という程度でしか語られていない (“作りましょう” とだけ言って終わってしまうモノも結構ある) 。 コレではあまりにも内容が薄いので、以下、(とくに) 大企業において、ソーシャル メディア マーケティングに関するポリシー/ガイドラインを策定するにあたって、どういったコトを考えておく必要があるのだろうかを、書き連ねていきたいと思う。

まず、ポリシー/ガイドラインを作る際において重要なポイントを以下に並べてみよう。一見すると “なんだ、当たり前のコトじゃないか” とも思うだろうけれども、これらを意識化した上で取り組むというコトが最も重要なので、あえて記しておこう。

ソーシャル メディア マーケティングに限らず、何らかのポリシー/ガイドラインを制定する際には、

  1. 制定目的の具体化
  2. スコープ (適用範囲) の明確化
  3. 罰則規定の明確化
  4. (必要に応じた) オペレーション フローの整備・体系化
  5. 教育 (周知) の徹底化

これらの 5 つの要素が必須であるというコトを、まずしっかりと認識する必要がある。よくやってしまうのは、これらを意識化しないで、いきなりポリシー/ガイドラインの中身を作り始めてしまうコト。意識化しないで制定すると、運用開始後、必ずと言っていいほど破たんするので、十分気をつけた方がよいだろう。

さて、まず一点目の “制定目的の具体化”。コレは二点目の “スコープ (適用範囲) の明確化” とセットで考えておいた方がよいのだけれども、企業のソーシャル メディア (マーケティング) のポリシー/ガイドラインは、“内部の担当者に守ってもらうべきルールブック” というだけではなく、“外部に対して企業自身のソーシャル メディア (マーケティング) に対する考え方、スタンスを表明するモノ” の二通りの側面がある。

つまり、“企業として、ソーシャル メディア (マーケティング) を、どう解釈し、どういったスタンスで臨むのかを対外的に表明し、その上で内部の担当者に、どう振舞い、考えてほしいかを細かに規定する” といったカタチになる。言い換えれば “企業としての活動” として規定する内容を明確化し、その “企業としての活動” に対して責任を負うというスタンスをしっかりと表明するということなのだ。

なぜ、コレが必要なのか? コレはソーシャル メディアを使った情報発信は、企業としてだけではなく、個人単位においても可能なためだ。つまり、“企業”レベルあるいは “個人” レベルでの参加をあらかじめ定義し、少なくとも “企業として参加する場合” において、どういった考えをもって、どのように情報発信をしていくかというコトを規定し、ソレを対外的に表明する必要がある。

コレは、大企業においてソーシャル メディアで活動を始めていく場合に非常にシビアに考えていく必要がある要素のひとつだ。ソレは、“企業として活動する場合” において、その影響度が大きくなるがゆえのコトである。 “個人 ≒ 企業” として動くには、あまりにもリスクも、影響度も大きいため、この切り分けが必ず求められてくるのだ。

このように影響度をシビアに考えるのは重要なのだが、そのため、仮にポリシー/ガイドラインを逸脱してしまったケースが発生してしまった場合、ソレに対する “罰則規定” を明確にしておくコトが必要になってくる。コレは別に厳しいモノでなくてもよいにだが、少なくともルールに反する行動を取った場合に、何らかのカタチで、その責任を負うような流れを作っておく必要がある、という状態を作るのは必須であろう。

仮に、この流れが出来ていないと、結局 “ルールに反したところで、別に何も変わらない” という解釈に転じてしまう可能性が高くなってしまう。その結果、ルール自体が形骸化してしまうコトにもつながってしまうので、必ず、何らかのカタチで “ルールに反する → 何らかの罰則を負う” という流れを作っておく必要があるだろう。数百人、あるいはそれ以上の規模の集団に対し、何らかのお約束事を設けるためには、コレは必須だと言ってもいいかもしれない。

一方で、ルールだけを押しつけてしまってはいけない。ルールを新たに作るのであれば、ソレを守ってもらいやすい状態にするため、周辺環境を整備するというコトも必要になってくる。そのため、4. の “(必要に応じた) オペレーション フローの整備・体系化” という要素が重要になるのだ。

たとえば、コレは、企業として Twitter アカウントを開設する際の承認手順になってくるかもしれないし、仮に炎上をしてしまった場合における社内コミュニケーション フローを整備するコトかもしれない。いずれにせよ、ルールを作りっぱなしにするだけではなく、そのルールをしっかりと守ってもらえるようにするための、社内整備は、非常に重要だというコトを意識しておいた方がよい。とくに、企業規模が大きくなればなるほど、色々な人たちが関わってくるコトになるし、自己完結できる要素がどんどん少なくなっていくため、なおさら必要なのだ。

さて、ココまでしっかりとポリシー/ガイドラインを組み上げたとしても、周囲に、その存在をしっかりと認知してもらわないコトには、全くハナシにならない。つまり、5. の “教育 (周知の) 徹底化” である。個人的には、今まで色々な資料や文献をあたってみたけれども、この点について言及しているモノは、ほとんど無い印象だ。

とくに企業規模が大きい場合、往々にしてボトムアップ型の施策がうまく機能しないのは、その周知が徹底されていないという理由によるところが大きい。なので、まずは、この “周知” をいかにして行っていくかがカギになる。そのためには、

  • ルールに、何らかの権威づけをしておくこと
  • ルールそのものをわかりやすくしておくこと
  • ルールを浸透させる (教育を行う) 機会を定期的に設けること

が必要になってくる。

“ルールに何らかの権威づけをしておくこと” というのは、イメージしやすいだろう。結局のトコロ、ボトムアップ型の施策をしっかりと浸透させるのに、一番早く効率的なのは、上層部のコミットをしっかりと得た上で、実際のルールの発表と周知を、上層部中心にやってもらうコトなのだ。もちろん、そのためにはハンパなモノは作れないので、ココまで述べてきた他のポイントをしっかりと押さえておく必要がある。ただ、いずれにせよ上層部にしっかりと関与してもらうコトは不可欠だ。

続いて “ルールそのものをわかりやすくしておくこと” なのだけれども、コレはシンプルに表現しろ、というコトでは決してない。実際のトコロ、少しでもソーシャル メディア マーケティングのルールというものを意識したコトがある方には、なんとなくイメージがつくかと思うのだけれども、実は、ルールの根本というのは、ソレ自体非常にシンプルなモノだったりする。たとえば、“嘘をついてはいけない” であったり “機密情報を公開してはいけない” であったりといったモノである。

ただ、あえて言うと、こういうルールでは、誰も守ってくれない。いや、“守ってくれない” というのは語弊があるのだけれども、つまりは “みんなある程度理解しているがゆえに間違えやすい” というコトなのだ。

基本的に、ルールとは “知らないヒトに対して、その行動が間違った方向に行かないよう、的確に導くコトを目的としている” モノだとも言える。そのため、ルールは可能な限りわかりやすく記しておいた方が良い。しかし一方で、言葉には、常に人それぞれ異なった解釈が生じるというコトもしっかりと意識しておかないといけないのだ。つまり、“別にしっかりと説明をしなくても、みんなわかるだろう…” という考えが最も危険であるというコトを理解しておいた方がよい。とくに、企業規模が大きくなる、もとい対象となる人たちの数が増えれば増えるほど、なおさら意識しなくてはならないのだ。

そのためには、上記のようなシンプルな書き方では非常に誤解が生じやすい。理想は “そのルールを必要とする人たちの組織や業務内容を把握した上で、実際の業務を想定した場合における Dos と Don’ts を明確化するコト” が必要なのだ。

そう考えると、ポリシーやガイドラインは、非常にこまごまとしたものになってくる。とはいえ、ココまでしっかりと網羅した上で、はじめて通用するものであるというコトを理解した方がよいだろう。

さらに、これらを準備した上で、実際に浸透させる (教育する) 場をきちんと用意しておく必要がある。しかも、コレは一時的なモノではなく、定期的に実施する場が必要だ。なぜならば、担当者の異動や組織変更を考慮しなくてはならないからである。

一言で “ソーシャル メディア マーケティングのガイドラインを制定する” というのは、非常に簡単だが、実際には、ココまでのタスクが伴ってくる。これらは読んでいただいてわかる通り、決して安易に考えられるものではないし、一個人がパッションだけで推し進められるモノでもない。非常に込み入った内部調整や、細かな部分の整備が伴ってくるのだ。企業規模が仮に小さい状態であれば、これらは幾分か割愛できるトコロもあるだろう。しかし大企業でソーシャル メディア マーケティングを推進していくためには、これらは決して避けて通れないのだ。

さて、ココまで大変な点ばかりを書き連ねていくと、必ず出てくるのが “じゃぁ、こんなに大変だったら、別に無理してソーシャル メディア マーケティングなんてやらなきゃいいじゃん…” という意見である。おそらく、“関与するであろう部門 × トップまでの階層” の数だけ内部調整を重ねていくと、ソレに近い数だけ、こういった意見を聞くはずだ。

そう。ある意味非常に、コレは正しい。ココまで考えたときに、もし割に合わないようであれば、やらなければ良いのだ。

でも、どうしてもやらなければならない場合、どうすればよいのか。次回は、このテーマについて少し考えてみようと思う。

ソーシャルメディアマーケティング for 大企業 – 2

2010年2月16日

大企業におけるソーシャル メディア マーケティング展開において、特に必要以上に意識しなくてはならない点は “規模” と “リスク” という二つの単語でまとめることができると、前回のエントリーで記してみた。

“規模” に関しては、

  • ステークホルダー、担当者等、いわゆる人数に反映される規模
  • 投下する予算、求められる結果等に反映される金銭的な意味での規模
  • 顧客、パートナー、関連事業者等含む影響範囲 (影響力) という意味での規模
  • などが挙げられるように、様々なところで絡んでくるコトになるし、ソレに伴って “リスク” を非常にシビアに考えなくてはならないわけで。

    そして、この “リスク” を必要以上に熟慮しなくてはならないために、どうしても慎重にならざるを得ないというコトを記している。

    こういった状況下において、ソーシャル メディア マーケティング戦略を推進しなくてはならない場合、具体的に、どのように考えたらいいのだろうか? まず “はじめの一歩” から考えてみよう。

    色々と考えると、大企業におけるソーシャル メディア マーケティング戦略において、もっとも重要なのは、実は “はじめの一歩” にあるのかもしれないと思っている。そして、その “始めの一歩” の踏み出し方をしっかりと押さえておかないと、仮に実際に施策をドライブしたとしても、非常にリスキーなモノになってしまうし、場合によっては、施策をドライブするという段階にすら移れなくなってしまうコトになる。

    いわゆる大企業におけるソーシャル メディア マーケティング戦略の “はじめの一歩”。この最大のポイントなのだけれども、コレは、誤解を恐れず一言で言い切るならば、 “Internal Communication を徹底するコト” にあるのではないかと思っている。コレは “ステークホルダー、担当者等、いわゆる人数に反映される規模” に対して的確なアクションを行うために不可欠なモノだと言ってもいいだろう。

    いわゆる大企業では、その業務が非常に細分化されているがゆえ、様々な担当部門が存在する。企業規模が小さければ、一人で、あるいは一つの部門で複数の業務を担当するケースがままあるが、規模が大きくなればなるほど、これらはどんどん細分化され、その細分化された業務ごとに、それぞれ担当部門、そして担当者が存在するケースが非常に多い。

    また、担当部門、そして担当者が増えるだけではない。大企業になればなるほど、なかば必然的に組織における階層も細分化される。企業規模が大きくなればなるほど、現場担当者と、部門あるいは企業そのもののトップとの間に存在する階層は増えていくのだ。

    以前の長編エントリーでも言及しているように、企業としてソーシャル メディア マーケティングを実践していくにあたって、まず重要なのは、その体制作りであると言ってもよいだろう。この体制を作るために、大企業の場合、非常に多くのステークホルダーとの調整が必須になる。

    実際のところ、ソーシャル メディア マーケティング施策を走らせるにあたって、一人の担当者、あるいは一つの担当部門だけでは、まずできないと考えた方がよい。たとえば、マーケティング施策を走らせる担当者だけではなく、営業部門との協業が必要になってくるケースがあるかもしれない。そしてもちろん、組織から出て行く情報を管理する部門、つまり広報や広告・宣伝部門との協業は、どんな施策においても必須になってくるはずだ。

    それだけではない。たとえば自分たちが発信した情報に対して、顧客のレスポンスを多く受けるであろうカスタマー サービス (サポート) 部門との協業も重要になってくるのではないかと思われる。そして “ソーシャル メディアは基本的にコントロールが出来ない” という前提のもとにコミュニケーションを考えていかなくてはならない以上、何かあった時のために、法務部門の協力も得ておく必要がある。

    企業として、ソーシャル メディア マーケティングを実践するにあたって、多くの書籍やブログのエントリーでは、コレを “体制 (組織) 作りが重要だ” という一言で片付けてしまいがちなのだけれども、正直なトコロ、とてもじゃないが、そんなに簡単に説明できるものではない。ざっと簡単に挙げるだけでも、これだけたくさんの部門ないし担当者との調整が必要になってくるのだ。

    しかも、企業規模が大きくなればなるほど、これらの組織における階層も、どんどん細分化されてくる。ソーシャル メディア マーケティング施策に限らず、新しい試みを展開していくにあたっては、上層部のコミットが欠かせない。極端なハナシ、言い換えれば内部調整の手間は “関与するであろう部門 × トップまでの階層” という形で考えなくてはならないのだ。

    “ソーシャル メディア マーケティングの担当者を明確にする必要がある” と、あちこちで言われている。コレは確かに正しい。ただ、ソレだけではまず成立しない。大企業におけるソーシャル メディア マーケティング施策の展開にあたっては、担当者を明確にした上で、こういった調整活動が非常に重要になってくるのだ。

    もちろん、これ以外に “ルール/ポリシーの策定” というモノも含まれる。組織内におけるルールを作るというコトは、場合によっては、組織内にもともと存在する就業規則等のルールなども関連してくることもあるかもしれない。その際には、上記の担当部門に加え、人事部門ともしっかりハナシを通しておく必要があるだろう。

    そして、ルールやポリシーを組んでいくにあたっても、もちろん一人の担当者、ないし一つの担当部門だけではうまくいかない。上記に挙げた担当部門の協力を一通り得ていくコトがベストだし、仮にそうではなくても、ある程度の部門の力は借りなくてはならないだろう。

    また大企業の場合、そうやって作ったルールやポリシーを、ちゃんとした形で社内に広く伝えていくという手間だって、必ず考慮しなくてはならない。多くの書籍やブログでは、“ソーシャル メディア ポリシーを制定する必要がある” とは言っているものの、実は制定した後のコトに関しては、まったくと言っていいほど言及が無い。ただ、正直なトコロ、制定しただけでは “はじめの一歩” どころか、半歩にも満たないのだ。

    ルールやポリシーは、制定するだけではなく、対象となる人たちに知ってもらえて、そして守ってもらえて、はじめて価値が生まれるモノだ。次回以降、このルールやポリシーについて、改めて考えていきたいと思う。

    ソーシャルメディアマーケティング for 大企業 – 1

    2010年2月15日

    さて、いきなり大仰なタイトルで始めてしまったのだけれども、これからしばらく “ソーシャル メディア マーケティング for 大企業” というコトで、大企業におけるソーシャル メディア マーケティング展開において、考えておいた方が良いのではないか、と自身が思うコトを色々と書き連ねてみようと思うわけで。

    とはいうものの、以前の長編エントリーに記されているコトに代表されるような、いわゆる基本的な考え方とアプローチに関して、特に企業規模という観点で見たときに露骨に変わってくるような部分は、意外と多くないのでは、とも思っている。実際、施策のプランニングの仕方であったり、あるいは展開方法であったり、そして効果測定や、その後の最適化に至る一連のプロセスにおいて、単純に “企業規模” というファクターだけで、何かが大きく変わってくるというコトは、それほど無かったりもするわけで。

    でも、実際問題、そこかしこで “大企業でソーシャル メディア マーケティングを実践するのは難しい” と言われているコトは確かだし、そういった部分もあるだろう。では、“難しい” と言われる理由は、どこにあるのか? まずは、その理由をじっくりと掘り下げていくところから始めていく必要があるのではないかと思う。

    というコトで、ようやく本題なのだけれども、実は大企業において、ソーシャル メディア マーケティングを考えていく上で、常に念頭に置いておかなくてはならない点。ソレは、誤解を恐れずに言えば “規模” という言葉で一通り語れてしまうかもしれない。

    “なんだ、当たり前じゃないか” と思うかもしれないのだけれども、この “規模” という概念は、実は様々なトコロで絡んでくるのだ。ざっと考えても、

    • ステークホルダー、担当者等、いわゆる人数に反映される規模
    • 投下する予算、求められる結果等に反映される金銭的な意味での規模
    • 顧客、パートナー、関連事業者等を含む影響範囲 (影響力) という意味での規模

    というように考えられる (実際には、もっともっと、色々なところで絡んでくるのだけれども) 。

    これらの “規模” によって、たとえばビジネス プロセスであったり、予算取りであったり、施策のゴール設定であったり、あるいはオペレーション体制であったり、というような細かい部分が決まってくると言ってもいいかもしれない。そして、これらは、いわゆる “大企業” 特有のモノであるコトが多く、また “大企業でソーシャル メディア マーケティングを実践するのは難しい” というイメージを持たれているであろう理由でもあるかもしれないと思うわけで。

    では、なぜ、これらの “規模” によって、いわゆる “大企業” 特有のモノが生じてくるのだろう? もちろん、コレには色々な理由があるのだけれども、まず “効率化” と “リスク低減” という面が絡んでくる。

    特に “リスク” という部分に関しては非常にシビアだ。ソレは、上記にも挙げている通り、“顧客、パートナー、関連事業者等を含む影響範囲 (影響力) という意味での規模” が非常に大きいという理由がある (もちろん、それだけではないけれども) 。影響範囲 (影響力) が大きいというコトは、それだけ責任も大きい。極端なハナシ、自分たちの失敗で、その業界における企業全体の株価に影響するコトだって無いとは言い切れないわけだ。

    つまり、いささか乱暴な言い方をしてしまえば、大企業におけるソーシャル メディア マーケティングを考える際には、必要以上に “規模” と、それに比例する “リスク” を熟慮しなくてはならない。
    * もちろん、コレは、いわゆる “大企業” に限定しているというわけではなく、そうではない区分に位置づけられている企業においても、同様に熟慮する必要があるのだけれども、比較的 “大企業” において、強く意識しなくてはならない点として述べている。

    コレは以前にも、このブログで言及したのだけれども、実は “大企業” と考えられる企業は、ソーシャル メディア、そしてソーシャル メディア マーケティングをしっかりと意識している。少なくとも、まったくの無関心というわけではないだろう。ただ、上記に挙げた、これらの “規模” と “リスク” を熟慮するがゆえ、非常に慎重になっているケースが多いのではないだろうかと思われる。
    * 正直なところ、ソーシャル メディア/ソーシャル メディア マーケティングに対して無関心であったり、あるいは全く知識・情報を有していない人は、それこそ、企業規模にかかわらず、一定の割合でいるだろうと思う。

    次回以降、「では “大企業” におけるソーシャル メディア マーケティングを考える際に伴う “規模” と “リスク” に対して、どう向き合っていけばよいのだろうか?」という問いに対して、自身が考えるコトを書き連ねていきたいと思っている。ある意味、コレは自分自身にとっても “答えさがし” になってくるのかもしれない…。

    ソーシャルメディアマーケティングfor 大企業 – 0

    2010年2月15日

    誰が言い始めたかは、よくわからないけれども、今年 2010 年は、企業において “ソーシャル メディア マーケティング元年” だと、ちらほらささやかれるようになっている。

    ただ、もちろん、これまで企業が全くソーシャル メディアと無縁だったかというと、決して、そういうコトはない。これまでだって、それなりの数の企業が、少なくとも何らかの形でソーシャル メディアを用いた施策を実践してきたし、それこそ何年か前から、この流れは生まれていた。

    では、なぜ今年が “元年” と言われているのか? ソレは企業が “ソーシャル メディア” というモノを意識して使っているか否かという点にあるのではないかと思っている。少なくとも今年以降展開されるであろう施策には、その “意識” が色濃く出てくるようになるだろう。

    この “意識” というのは、たとえば “効果測定” という部分において言及されたり、あるいは “ポリシーやガイドラインの策定” といった形として表に出てきているわけだ。

    そういった意味では、まさに今年は “元年” なのではないかと思っている。

    さて、本題。そんなわけで、まさに企業は “ソーシャル メディア マーケティング” 元年なのだけれども、特に最近色々と語られているのが “大企業におけるソーシャル メディア活用” なのではないかと思うわけで。

    実際、こういったブログのエントリーだったり、あるいは、最近色々な意味で話題になっている「ソーシャル メディア マーケティング」という書籍にも (ほんの少しではあるが) 言及されている。

    ではなぜ、ソコまで大企業におけるソーシャル メディア マーケティングへの取り組みが注目されているのか? コレは、(個人的には、あまり、こういう言い方は好きではないのだけれども) 大企業における取組みが、良くも悪くも、その業界内における “ソーシャル メディア マーケティング” の試金石として考えられるからだろう。大成功すれば、ソレは “スタンダードなアプローチ” として、今後同様な例を数多く生み出すコトにもつながってくるであろうし、仮に大失敗をすれば、その方法論は “絶対にやってはならないコト” として広まるだろうし、いずれにせよ、大きな教材として残るコトになってくるわけで。

    こういった背景も、少しではあると思うのだけれども、理由の一つとしてあるからこそ、何気に今度の AC フォーラムで、自身が “大企業におけるソーシャル メディア マーケティング推進戦略” というテーマでお話をさせていただくコトになったのではなかろうかとも思うわけで (自身にとって、非常に光栄な機会をいただき、改めて感謝です) 。

    誤解を恐れず言い切ってしまうとすれば、実際、大企業における事例というのは、少なくとも日本のソーシャル メディア マーケティングの世界では、まだまだ非常に少ない。もちろん、すでに取り組まれており、さらには非常に素晴らしい結果を出されているいわゆる大企業さんもあるのだけれども、その数はまだまだ少ないといえるだろう。

    少ないからこそ、現在まだまだ注目されている状態にあるわけだし、そういった状況の中で、大企業におけるソーシャル メディア マーケティングに関して言及しているブログや書籍においても、ソレは決して十分に語られているモノとはいえないと思っている。

    そんなわけで、色々と思うコトがあって、あえて自身の思うトコロを書いてみようかと思ったわけで。

    以前、すでに長いこと、このブログをお読みになっているみなさまにはおなじみの “バイブル” から、さらに大企業における方法論に関して、細かく考えてみようかと思っている。

    ただ、もちろん、コレは誤解が無いように、あらかじめ書いておくのだけれども、これから書き連ねるコトは、あくまでも個人としての考えや方法論であり、決して自身が現在身を置いている組織が、まさに、このようなカタチで、何らかの施策を実践しているというコトを具体的に説明しているモノではないわけで (ブログにおいては、あくまでも公私は切り離して考えるコトにしているので) 。

    というわけで、これから何日かの間、ちょっと大きめのテーマについて書いてみようと思うのだけれども、仮に何日か間が空いたり、あるいは間に、他のエントリーが挟まっちゃっても、ソレは、ぜひご勘弁のほどを… (さすがに、以前の 42 日間連続長文エントリーは、身も心もすり減ってしまったので…) 。

    あ、ちなみに、コレは、さすがに以前のように 40 日以上も続かないかと。おそらく続いたとしても、数回…、多分、そういったレベルの長さになるかと。

    ココまで、以前同様、長々とした前置きになってしまったのだけれども、前置きは、ココまでにして、これから少しずつ核心に触れてみようかと思う。それでは、(コレも以前と同じ展開なのだけれども) 次回に続く…、というコトで…。

    「ソーシャル メディア マーケティング」is…

    2010年2月12日

    ナット・ヘントフというジャズ評論家の著した「ジャズ・イズ」という書籍がある。

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    ジャズ・イズ – ナット・ヘントフ (著)

    コレは、少なくとも自身の知る限り、もっとも「ジャズをちゃんと語っている」書籍なのではないかと思う。まさに “Jazz is” であり “This is Jazz” だ。

    捉えどころが多すぎるがゆえに、得体が知れない存在として語られてしまうモノに対して、このように “ズバリ” というタイトルを掲げて著すのは、非常に難しいし、何よりも勇気がいることだと思う。名著として評価されれば、その業界について書かれた書物の中においても “スタンダード” として、そして時が流れれば “古典” として位置づけられる。ただ、その反面、もし評価が低ければ “この作者、口ばっかりじゃん” という直接的な評価だけではなく、今後の作品の評価にも影響しかねない状況になってしまうわけで。ただ、もちろん「ジャズ・イズ」は前者である。

    さて、本題。「ジャズ・イズ」ではないが、同じように、捉えどころが多すぎるがゆえに、得体が知れない存在に対して “ズバリ” というタイトルを掲げて著された書籍が、少なくとも、ソーシャル メディア マーケティングに関わる人たちの間で、色々な意味で話題になっているようだ。

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    ソーシャルメディアマーケティング – オガワ カズヒロ (著)

    既に、色々な方が、本書に関しては論じていると思うのだけれども、遅まきながら自身も手に取ってみるコトにした。

    そんなわれわれが本書を記した最大の目的は、企業のマーケティング担当者が、ソーシャルメディアマーケティングという新しい戦略を社内で検討するための補助的資料をまとめたいと思ったからだ。

    というくだりが序文に含まれている本書。「あぁ…、この本が、もう少し早く世に出ていれば、自分も、社内向けに、

    あんな長編を書かなくても済んだのではないか…」という思いで手に取って、読んでみた。

    確かに良い本だとは思う。ソーシャル メディア マーケティングについて、これまで世に出ている、いわゆる “ツール礼賛” 的なアプローチではない数少ない書籍という点では、非常に評価できるだろう (もともと、これまで、そのような書籍しか出ていなかったコト自体、いかがなものかと思うのだけれども) 。

    けれども、共感できない。

    いや、もちろんこき下ろしているわけでも何でもない。もちろん、書物としてのクオリティが低いわけではない。ただ単に、自分の考えと全く相いれないだけなので、誤解無きよう…。おそらくは、この書物に対して “Totally Agree” な方は、おそらく私の意見や考え方に対して “Totally Disagree” なんだろうと思う。そういう意味だ。
    * なので、“Totally Agree” な方は、ココから先は、読まない方が良いだろう。

    決して悪いコトが書かれているわけでもないし、むしろ「うん、そう思う」という点もいくつかあったりするのに、なぜか全体的な感想として「共感できない」となってしまう。その最たる理由は、この書物において一貫して流れているテーマにある。そう、既にお読みの方であればわかる通り “マーケティングは戦争である” というくだりである。

    いや、もちろん、コレはある意味間違ってはいない。実際、この厳しいご時世、企業が引き続き成長をしていくために、競合他社との競争は避けられないのは事実だ。そりゃ、熾烈なシェア争いだってあるだろうし、戦争のように見えるかも知れない。そしてもちろん、その競争に勝つコト、あるいは負けないコトを常に要求されているのが、企業におけるマーケターのミッションでもある。

    ただ、マーケターが相手にするのは、他社のマーケターではない。あくまでも消費者であり、生活者だ。つまり、敵に対して直接的な攻撃を仕掛ける戦争とは根本的にアプローチが異なる。戦うべき相手が、どんなに目の前にいたところで、その相手に対して、直接的に何かアクションを起こすコトは、まず無いだろうし、競合だけを見ていたら、結局一番大事な消費者、生活者が不在の施策になってしまうし、本末転倒だ (もっとも、そういう結果になってしまっている施策は決して少なくない。ただ、成功している例を寡聞にして知らないのだけれども) 。

    実際、マーケティングは競争だとは思う。そして、その競争における勝敗のカギは、いかに消費者、生活者からの支持を集めるかだと思う。ただし、ソレは決して戦争ではない。戦争は領土や資源の奪い合いであり、決して人間の奪い合いではないのだ。

    もっとも、奪い合いではない戦争だってある。宗教が絡む戦争は、奪い合いというよりは、敵対する思想の排除だ。“マーケティングは戦争だ” というのは、こっちに近いのかな、とも思ったのだけれども、よくよく考えると、やはり違うような気がする。あえて例えるならば、“あるブランドのファンと、敵対するブランドのファン同士の対立の激化” とは言えるかも知れないが、コレは企業のマーケティングの目的でも手段でもないだろう。

    一発で読み手に刺さるインパクトのある表現として使ったのかもしれないし、こういった捉えどころの無いモノに対して、わかりやすいたとえを用いるのは非常に有効なのだけれども、一歩間違えたら誤解をたくさん生みかねないし、好みが非常に大きく分かれる結果になってしまっているのではないかと思うわけで。

    とはいえ、本書は、良いコトが一杯書いてある本だと思う。これまでメジャーな書籍では決して言及されていなかったであろう効果測定に関して、その内容はどうであれ、少しでもページを割いているというコト自体、素晴らしいと思う。前述の通り、特定のツールに偏っているような書き方でもなく (まぁ、ある程度流行りを意識しているのか、若干 Twitter に寄っているところはあるのだけれども) 、ソーシャル メディア マーケティングを俯瞰しようとしているアプローチは、非常に素晴らしい。

    けれども、共感できない。

    あえて言うなら、Chapter 1 – Chapter 2 まで。つまり、本書の半分弱に相当するのだけれども、そこまでの部分であれば、非常に推奨できる書籍だと思う。ただ、Chapter 3 以降、つまり企業規模やマーケットにおける立ち位置に合わせて戦略を類型化して語っている部分から、だんだん “?” と思われる部分が目立ってくるのだ。

    実際、Chapter 2 までは、素晴らしい論理と考察でまとめあげられているのに、このあたりから、なんだかんだで事例中心の構成になってしまう。しかも、本書で大企業や市場のリーダー向けに書かれた章に関しては、内容も少ないし、結局は「失敗しないように、ちゃんと体制を組みましょう」「ポリシーを作りましょう」という、今まで、どこでも言われているようなハナシで終わってしまっている。

    おそらく、コレを、少なくとも大企業にいるヒトたちが読んだところで「・・・。で?」となるケースが多いのではないかと思う。大企業の中の人たちは、ココに書かれているコトくらい理解はしている。ただ、「じゃぁ、どうすればいいのか?」という解に巡り合えていないため、悶々としているのだ。正直、この書籍で言及されている点に関して言えば、既にだいぶ以前から、エージェンシーの方々に直接指摘されていたり、自分たちで気付いたり、という形で問題意識は持っている。ただ、決定的な解を見出し切れていないのが実情だと思っている。この書籍を手にした自身も、その解を非常に期待してしまっていただけあって、若干残念ではあった。

    それ以降の部分に関して言えば、戦略の指南書というよりは、これまで様々なところで展開されてきたソーシャル メディア マーケティング施策の事例を、その企業規模ごとに分けて、まとめ直したという印象が強く感じられる。そのため、結果的には、過去のケーススタディをまとめただけになっている印象が否めないわけで (とはいえ、ケーススタディを羅列するだけではなく、それなりに解釈が語られているから、実践者ではなく研究者には役に立つかも知れない) 。

    もちろん自分は、この書籍を批判しているつもりは全く無い。こういった書物は非常に重要であり、コレをきっかけにソーシャル メディア マーケティングへの関心が高まるコトもあるだろう。ソレに伴い、たくさんの成功/失敗事例が生み出され、その結果、どんどんソーシャル メディア マーケティングの方法論も成熟してくるきっかけにはなると思う。ただ、自分は共感できないというだけであり、ソレは個人の感想に過ぎない。

    ただ、色々と述べたついでに言ってしまうと、もうひとつだけ「けれども、共感できない」と言いたくなる部分がある。

    マーケティングは、戦争ではない。そして、アートでもないと思っている。

    自分自身、プロミュージシャンとしてアートを生業としていたコトがあるが、はっきり言って、マーケティングとアートは完全に別モノだと思っている。もっとも本書の序文で語られている「アート」も、必ずしも正しいとは言えず、本当のトコロ、アートであったとしても、学術的な調査と検証は欠かせない。少なくとも、ソレでメシを食うならばなおさらだと思う (そういった研鑽が伴わないアーティストは大成しない) 。

    結局のトコロ、マーケティングは、あくまでマーケティングであり、何らかのメタファーによって語れるものではない。メタファーによって語るには、あまりにも大きく、広い概念なのだと思う。

    最後に、アートのハナシついでに、冒頭でご紹介した「ジャズ・イズ」なのだけれども、コレは本当に名著だと思うので、ジャズが好きな方は、是非手に取ってみるコトをお勧めする次第。深夜に、スタンダード ジャズを聴きながら、バーボン片手に読むのに非常に良いので、是非…。

    実は wiki が存在する “バイブル”

    2010年2月9日

    今日、自分の Twitter の TL を見ていて、目に入ったのだけれども、どうやら、自分が先日、42 日間にわたって書き連ねた、一連のエントリーは、これからソーシャル メディア マーケティングに企業として踏み込んでいくにあたって、あれこれと考えていらっしゃる “中の人” のみなさまに、(少しではあるものの) 推薦されているらしい…。

    もし、本当であれば、ソレこそ自分にとって、あの一連のエントリーを書いた最大の理由でもあるし、思いっきりぶっちゃけて書いてみた、その覚悟も報われし、実に幸せなコトだったりするわけで。

    ただ、改めて読み返そうと思うと、どうしても “ブログのエントリー” というカタチで書き連ねたため、実は、最初から読もうとすると、結構面倒だったりするのも、また事実。

    中には、全部のエントリーをプリントアウトして、じっくりと読んでいただいているケースもあるのだけれども、実際問題大変なコトには変わりないわけで…。

    そんなわけで、書いた自分自身でさえ、読むのが非常に大変だったりするわけなのだけれども、実は、コレをきっちりとまとめてくださった方がいらっしゃるので、ココでご紹介…。

    ソレは @oec014 (オーイシナオヤ) サン。もともとは Twitter 上で、

    「”バイブル”が生れる前のハナシ」を個人的にwiki化したい。

    とつぶやかれたのがきっかけだったりするのだけれども、その後、こんなカタチにきれいにまとまっていた。

    【SMM “バイブル” をチラ見してみたまとめ – livedoor wiki 】

    このwikiは、2009年12月までの日本のSMMの現状が全て詰まったブログ「life is so…」の一連のエントリー「”バイブル”が生まれる前のハナシ」の各記事に標題をつけて個人的な利用を目的としてまとめたクローンサイトです。
    著者のクマムラゴウスケさんに感謝します。

    ということで、全部のエントリーが、すべてわかりやすいタイトル付きで、しかも最初から順を追って読むコトができるようになっていたりする。

    正直、こっちをご覧頂いた方が、自分のブログをお読みいただくよりもわかりやすいし、知りたいポイントだけを簡単に読んで押さえておくコトができるので、いいかも。元のエントリーを書いた自分自身も、非常にお勧めするサイトです。

    コレがあったら、元のブログが読まれなくなるのでは…、というのもあるかもしれないけれども、別に自分は PV 稼いで “アルファブロガー” を名乗りたくもないし、少しでも多くの方々に、自身の思うコトがしっかりと伝わってくれれば、ソレで十分幸せだと思っているので…。

    ちなみに、コレがきっかけで、今度セミナーにお招きいただくコトも決定していたりするわけで。

    詳細は、こちら。

    http://www.siip.jp/business_event.html#100225

    日時は、2/25 (Thu.) の 15:00 – 17:00 で、場所は、静岡市清水産業・情報プラザ。参加は無料…、ただし先着 50 名らしいので、お早めにお申し込みを…。
    * まだ間に合うのかな…。

    オーイシさん、そして、このブログをお読みいただいているみなさま、あらためて感謝です…。

    UCC に学ぶコト – bot じゃなくて、人間だったら…?

    2010年2月7日

    先ほどのエントリーに引き続き、Twitter 上に大きな旋風を巻き起こしていった UCC のキャンペーンに関して思うコト。

    前回は “事業主側の中のヒトのソーシャル メディアに対するリテラシーは、自分たちを守るために必要だ” というハナシを書いたのだけれども、今回はちょっと別なハナシ。

    実は、コレは Twitter 上で @nshoji サンとやり取りをしていた中で出てきたハナシなのだけれも、“もし、今回の件が bot によるモノではなく、中のヒトが自分で一つ一つ Tweet してたら、きっと印象は変わっていたのではないか” というモノ。

    もちろん、中のヒトがやるとはいえ、bot のごとく、同じ文面をしきりに Tweet しているというのであれば、同じような結果を招いたのかも知れないけれども、たとえば、一人一人に少しずつ文面を変えて出す (でも、乱発させるコトには変わりない) ようなコトをしていたら、今回のケースは、どうなっていただろうか。

    状況や、その内容によっては、おそらく、炎上ではなく、むしろ逆の結果になるかもしれないし、ともすれば “Twitter マーケティングにおける成功事例の一つ” として、取り上げられかねないような気もするわけで。

    でも “ちょっと待てよ…” と思う。コレって人間がやっているというだけで、許されるのか? と思うのだ。

    確かに、機械的に (というか、機械そのものだったりもするのだけれども) ある語句に反応して、決まったメッセージを返すよりは、人間が返した方が、そりゃぁ人間味という意味では十分にある。それこそ、今 Twitter が絡むマーケティング施策で、色々と語られている “人間味のあるコミュニケーション” という意味では、非常にうまくできているだろう。ただ、ソレってそもそも本質的なモノなのか? と思うわけで。

    コレに対して、非常に明快な回答を述べられているのが湯川鶴章さん。氏は、Tech Wave で、こういうカタチで言及されている。ちょっと長いのだけれども、引用させていただくと…、

    UCC の Twitter 騒動に思うマーケティングの本質的変化

    実はこれを指摘する人はそう多くないようだが、僕が最も強く感じたのは、マーケティングの本質が大きく変化しつつあるのではないかということだ。
    これまでのマーケティングの目的は、企業側のメッセージを消費者に伝える、ということだった。それはマスメディア全盛時代もそうだったし、インターネット時代になってオンライン広告、オンラインマーケティングの利用が広がってきた今日でもだいたい同じじゃないかと思う。マーケッターの多くは、自分たちのメッセージをどうすれば効率的に伝えられるか、ばかりを考えているように見受けられる。
    しかしソーシャルメディアの時代に移行しようとする中で、マーケティングの目的は、メッセージを伝えることから、消費者の声を聞くこと、消費者との関係を強化することに変わりつつあるのではないかと思う。

    つまり “グランズウェル” でいうところの “傾聴戦略” だ。

    合わせて氏が言及されている通り、

    今回UCCが迅速に対応したことで批判の矛先がUCCにそれほど向いていないのも、UCCがユーザーの声に耳を傾けたと多くのユーザーが感じたからではないだろうか。

    まさに、この部分ではないかと思う。別に、bot ではなくて人間がやっているから許される、というわけではなく、人間がやることで、“ユーザーの声に耳を傾ける” という姿勢が同時に備わるからこそ、評価されるのではないかと思うわけで。

    言いかえれば、仮に人間がやったとしても、この “ユーザーの声に耳を傾ける” という姿勢が備わっていなければ、bot でやった時と同じような結果をもたらすだろう。以前、「つぶやきすぎる “公式 Twitter アカウント”」というエントリーでも、少し言及したが、“Tweet するコトそのものを目的としてしまう” と、えてして、こうなりがちなのではないかと。

    決して bot だから悪いというわけでもなく、人間だから良いというような、非常に簡単なものではない。大事なのは、このように “ユーザーの声に耳を傾ける” コトができているか、であったりというような、本質的な部分だと思う。

    今後、自分が色々と考えていくにあたって、こういった大事な点を見落とさないようにという、自分への注意をこめて…。