“バイブル” が生まれる前のハナシ – 4

とりあえずは、地位の高い人間のコミットは得るコトができたが、もちろん、それだけでは、全社的に通用するフレームワークを作るコトができない。おそらくは、取りまとめなくてはならないドキュメントは、相当の分量になるであろうし、何よりも自分一人だけで動いてしまったら、自分の視点・発想を超えるモノに的確に対応できなくなる。そんなわけで、まずは、内部の体制を、しっかりと整えるコトを第一に考えた。

実は以前、前職で、プレスリリースのブログ化と、コンテンツやセールの情報等を配信するブログを立ち上げて回すという形で、いたってシンプルなモノではあったが、いわゆるソーシャル メディア的なアプローチを実践したコトがある。

当時は、自身が Web サイトの編集長をしていただけではなく、広報の一部を担当していたり、E コマース全般を担当していたりと、一人で何役もこなしていたので、ある意味 “自分さえ破たんしなければ、それなりにすぐ動ける” 状況下にあった。

ところが、今回は全然組織規模が異なる。単純に社員数だけ考えても、前職の 20 倍になるわけで…。ソレだけ組織が巨大になってくると、(多くの大企業が、そうではないかと思うのだけれども) 業務が縦割りになってしまう傾向は避けられない。そうなってくると、一人では、もはや、どうしようもないし、仮に一人で “バイブル” を作ったとしても、確実に社内に浸透するコトはないと思っていた。

そこで、今回のプロジェクトで、密接に関連してくるであろうと思われる部門と、しっかり連携して進めるコトを重点的に考えた。

そういうわけで、部門をまたいだプロジェクト チームを作るコトとなったが、このチームに関わる人間は、多すぎても少なすぎてもいけないな…、とは感じていた。チームに関わる人間が多すぎれば多すぎるほど、全員のコンセンサスを取るのに、非常に長い時間を要するし、それでは、変化の激しいソーシャル メディア事情に対応するコトができない。それに、そもそもコンセンサスが取れなくなって、前に進めなくなるという懸念も十分に考えられた。もちろん、少なすぎれば、少なすぎたで、社内に対する説得力は比例して下がってくる。

そこで結成したチームは、総勢 5 名。自分の他に PR から 1 名、宣伝部から 1 名、法務から 1 名、そして社内トレーニングの関連部署から 1 名である。

全社にまたがる形で、コミュニケーション的な部分を担当する部門に、一通り関与していただく形にするのはもちろん、ソーシャル メディア マーケティングにおいて、法的な部分もしっかりとカバーするために、法務にも参画していただく形とした。あとは、こうやって出来上がったフレームワークをきっちりと社内に向けてトレーニングという形で普及させていくにあたって、社内トレーニングの関連部署の協力は不可欠だったわけで…。

コレは、自身が実際に実践して、初めてしっかりと理解できたコトなのだけれども、とくに規模がある程度大きな企業でソーシャル メディア マーケティングを実践していく場合、最初に連携する部門と担当者をしっかりと決めていくというのが、“はじめの一歩” の中で、もっとも重要な部分になってくる。どこの誰と連携していくかは、当然組織によって、さまざまなケースが考えられるのだけれども、ひたすら考え抜いて、最適なチーム編成をしていくコトに時間、根回し、駆け引きを惜しんではいけないのではないかと思う (ただ、コレを実感するコトができるのは、往々にしてプロジェクトが終わってから、だったりするのだけれども…) 。

というわけで、社内の体制もなんとか整ったので、一気に走りだそう…、と思いがちなのだけれども、コレで突っ走り始めたら、それこそ、上述の “自分の視点・発想を超えるモノに的確に対応できなくなる” 懸念が非常に高まる。自分 (たち) の利害関係に左右されない、客観的な視点で、戦略全体を俯瞰することのできる “外部のパートナー” を探さなくてはならなかった…。

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