社員全員が Twitter アカウントを持つというコト

すでに、ちらほら話題になっている “孫さんの Twitter アカウント (@masason) の件”。自らが実名で登場し、(それなりに) フランクにつぶやいている (3 人だけしか Follow していないけど) だけではなく、約 20,000 の社員も Twitter を使うようにさせるという、かなり思い切った動きになりそうだというのは、Twitter 内でもあちらこちらで語られているわけで。

実際、20,000 人の社員が Twitter アカウントを持ち、一斉に情報を発信したら、おそらく (現状の日本の Twitter ユーザーの規模を考えたら) それなりの波及効果は望めるのかもしれないし、コレに関しては、ちらほらと語られていたりもする。それこそ「広告に代わるモノとして Twitter に期待している」というような感じで。

ただ、おそらくは広告に代わるモノという位置付けでは考えられてはいないだろう。そもそも現状 20,000 人が全てアクティヴなユーザーとして、Tweet し続けるというコトはないだろうし。

実際のところ、半分くらいはアカウントを作っただけで開店休業状態になるだろうし、残りの 10,000 ユーザーのうち、身内 (つまり社員同士) でフォローし合っている状態が、さらに半分くらい。残るのは 5,000 ユーザーくらいだろうけれども、100 人以上 followers を持てるだろうユーザーが 2 ~ 3 割だとして、1,000 ~ 1,500 人くらいか…。

そう考えると、Tweet の影響範囲は 100,000 ~ 150,000 人くらいになるだろうけれども、followers がダブってたり、Bot だったり等々を差っ引いたら 70,000 ~ 100,000 人に対して情報を拡げられる…、というトコロが妥当な線か…。

おそらく派生する口コミを考えたとしても、規模的には小さいわけで…。

・・・というのは、実は全然本題とは関係無いのだけれども、20,000 人の社員が Twitter アカウントを持って情報を出し始めるというハナシを聞いて、ふと思い出したコトがある。

あれは今から 4 ヶ月くらい前のコト。東京で行われた ad:tech の 2 日ほど前に、“グランズウェル” の著者 (の一人) でもある Josh Bernoff 氏を囲むコネクション・ミーティングが開催された。その時に、Josh Bernoff 氏と (ものすごくラッキーなコトだけれども) 色々とハナシをするコトができたのだけれども、彼の言葉が非常に印象に残っている。

“Apple は、情報発信を徹底的にコントロールするコトで成功している。一方 Microsoft は、それが巧くコントロールできず、社員が勝手に情報を出している。コレは成功するコトもあるが、失敗するコトも多く、Microsoft の場合、今ソレで失敗しているような気がする”

日本語にすると、大体こんな感じ。

実際、Microsoft では、以前から多くの社員がブログを書いていたりするし、ソレは US であろうと、日本であろうと変わらなかったりもする。今でいうトコロの “ソーシャル メディア マーケティング” というわけではないのだけれども、少なくとも情報を発信するチャネルとしてのブログは、実は相当数あるわけで。

一方 Apple の場合、最近も取り上げられている通り、情報に関しては徹底的にコントロールされているようだ。

アップル・ゲシュタポ、リーク犯探しの実態 – Gizmodo Japan

確かに、ココに書いてあるレベルで情報発信に対する姿勢がシビアなモノであれば、確実にメッセージはブレないだろう。一方 Microsoft の場合って、たまにフライングがあったり、ちょっと間違ってたり等々…、というコトもあったり、(US あたりでは) 「おい、そんなの出しちゃっていいの?」というようなモノまで出てきちゃって問題になっているわけで (実際、こういったハナシって、ニュースとして出てきちゃったりもしているので、ご覧になっている方々も多いと思うけれども) 。そういう意味では、確かに Josh Bernoff 氏の言葉は正しいのでは…、とも思ったりする。

さて、ソフトバンクの社員 20,000 人が Twitter アカウントを持ったら、どういうコトになるんだろう…。コレは個人的な考えである、というコトをあらかじめ念押ししておきたいのだけれども、よほどしっかりと (全社員に対して) Twitter の使用、もといソーシャル メディアへの接し方といったような、非常に基本的なトレーニングであったり、あるいは (誰にでもわかるような明確な) ルールを作ったり、ソレが就業規則の一部になっているといったような、非常に拘束力のあるレベルで浸透しているという前提が無い限り、確実に問題が起こるのではないかと思っている。

20,000 の情報発信窓口を作るというコトは、裏を返せば、20,000 の穴を開けるというコトとも同義なわけで、その分リスクも高まるコトは否めない。そういった点を踏まえた上で、今回の動きに至っているとなると、相当の決断だろうなぁ…、とは思うのだけれども、絶対に PR のヒトって大変なコトになっているんだろうなぁ、とも思うわけで。

おそらく、タイミング的には、来年の春あたりから、企業のソーシャル メディア活用がもっと加速してくると思っているのだけれども、このソフトバンクの全社員 Twitter 使用という試みが、どういう結果を導き出すかで、さらに加速するか、一気にトーンダウンするかが分かれてくるのではないかと思うわけで。

個人的には、誰それ構わず情報を外に出せるような環境を、いたずらに作るというのは、避けた方が良いと思っているのだけれども…。

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